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【木村容疑者の件】だからあなた達はいつも足元をすくわれる


【00:00】若者よ、大志を抱け?

ある若者が日本を変えようと大志を抱き、それを命がけで行おうと思ったとき、唯一それを叶えられる手段は「政治」以外にない。

ただもしその政治に、立候補することすらできなかったら?

そしてそれがお金や年齢という本質的でない枠組みでなら、その若者の命を懸けた強烈な大志はどこに行く、どこに向かえばいい?必ずその「強烈な感情」は「強烈なヘイトフル」へと変わり、それはヒエラルキーのトップに向かう。

【00:24】木村隆二という人物

和歌山県にて岸田首相の選挙応援演説中に爆発物を投げ込んだとして、威力業務妨害容疑で逮捕された無職「木村隆二」容疑者。その容疑者にひろゆきさんが同情したコメントをしたとして、ネットがざわつきました。

爆発物を投げ込んだ木村容疑者は昨年7月の参院選に立候補しようとしたが、非選挙権である30歳以上という規定、また300万という供託金を用意できなかったため、立候補はかなわなかったという。それらに対し「法のもとの平等などを定めた憲法に違反する」とし、木村容疑者自身が国に10万円の損害賠償を求めて提訴した。

しかし神戸地裁はいずれも「合理的」として棄却。裁判内では

既存政治家は統一教会の組織票で当選し、利益を不当に独占し国民に損害を与え続けている

と選挙制度や現状の政治に対する不満を訴えたり、また安倍氏の国葬に対しても

岸田内閣は安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中で、議会での審理を経ず、閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は許されるべきものではない

と批判している。これを受けひろゆき氏はTwitterで

木村容疑者現行政治に不満。統一教会の組織票で当選と訴訟で主張彼なりに社会を良くしようとした結果だとすると、現状に不満を感じる人たちのエネルギーと行動を正しく向ける先がないことが問題なのかもしれない。

働いても社会が良くなる気がしない。。

とツイートした。このひろゆきさんのコメントは、この問題をちゃんときれいにまとめたなと思いました。「現状に不満を感じる人たちのエネルギーと行動力を正しく向ける先がないことが問題」まさにその通りだと思います。

ピエロは、記事を見た通りであるならこの木村容疑者は「脳筋タイプ」でしたが「バカ」ではないんですね。政治家になろうと実際に行動する馬力があり、裁判では弁護士をつけず、日本の社会主義的側面にもきっちり触れているので、くくりとしたら無能より有能。

ただ「人間として未熟すぎた」という話です。立候補するために300万かかることや、30歳以下は立候補できない年齢問題は、ネットで調べたら10秒で入ってくる知識です。

また暴力的になるのも、幼児性の象徴的行動。ですがまあこういうのを踏まえても、一切の忖度なしで言うと有能よりなんですね。そしてここで木村容疑者を2分くらいで解説しましたが、実際は数年掛かりでやらなきゃいけないわけです。

【02:24】皆そうしてるという「甘え」

私がここで問題にしたいのは「そういう莫大なエネルギーと行動力を持っている人が日本を変えたいと思ったとき、そのエネルギーを正しく向ける先が今の政治にはあったのか?」

ある若者が日本を変えようと大志を抱き、もはやその若者にとってその思考は「命懸け」であり、唯一その使命を叶えられる手段は「政治」以外にないわけです。

ただもしその政治家に立候補することすらできなかったら、そしてそれがお金や年齢という本質的でない枠組みでなら、その若者の強烈なエネルギーはどこに行く?どこに向かえばいい?

その強烈な感情はヘイトフルへと変わり、ヒエラルキーのトップに向けられるわけです。

「普通は向かわないだろ」ってみんな言うわけじゃないですか。それが「甘え」なんですよ。

ついさっき来たコメントに、全てがありました。

みんなそう思ってるが、解決する方法がないから投資や副業で自分と家族の分だけは何とかしようとするんだよ

って。それはみんな思ってるところなんですね。「政治も何も変わらないこの国で、だから自分のことだけをするしかない、そう折り合いをつけた。だからお前もそう折り合いをつけろよ」って求めること―それを「甘え」だと言っているのです。

言うことを聞かない奴なんて山ほどいるわけです。これ時代を変えて考えたいんですが、結局は「幕府討伐」も木村容疑者と同じなんです。全ては「若者たちの日本を変えなければならない、という爆発的なエネルギー」のもと行われた。それは非常に暴力的かつ、非道徳的。

海外を見てください、デモばっかりしてるじゃないですか?「何で言論に走らないんだ?」って、言論して変わってるならとっくにしてるということなんですよ。現状に不満を感じている人たちのエネルギーと行動力を正しく向ける先がないから反乱が起きるんです。

【03:56】猫は甘え、窮鼠に噛まれる

窮鼠猫を噛む。

人を怒るときは必ず後ろのドアを開けてから怒らなきゃいけない。なぜなら怒られて怯えていた猫もだんだん時間を経てば怒りがたまって行き、反撃をしてくるかもしれないから。だから逃げ道を用意して怒る。それは相手のためでもあり、自分のためでもある。

でも日本の政治はどうか?今も昔も変わらない。

日本を変えようと思っても、閉鎖空間で、それを実行できる入り口が、出口が見えない。唯一見えるとしたらトップの討伐かもしれない。だからこういう事件が起きるんです。

もちろん解決策としては「エネルギーの発散」ができたら良いです。「働いても社会が良くなる気がしない」この一言にもあるように、結局は昭和の時代は何もなかったから全てが「発散」だったんです。

  • 洗濯機が家にない
  • 電子レンジが家にない
  • おしゃれな服を買いに行く場所も近くにない
  • ネットもない、電話も満足にできない

今と比べれば正直何もなかったんですよ。ただ分かりやすい目標があった。

  • 頑張って働いて電子レンジを買う
  • 頑張って働いてマイホーム買おう

ってそういう「物質的な目標」が非常に分かりやすくあった。だから昭和は「目の前」に生きることができた。

ただ今の時代は生まれてきた瞬間から、洗濯機、電子レンジ、車、自分の部屋―全てがある。今の子供はスマホ1台渡せばこの世の娯楽を一歩も動かず、1円もかけず、湯水のごとく消化できる。

さて一体何をしたらこの世の中はもっと良くなるんですか?

「貧困で苦しんでる」って言っても、ネットを敷いて、スマホは使えている。今外で遊ぶより、スマホをいじってバーチャル空間にいる方が楽しかったりするわけです。

だから「貧困って言っても、一番の娯楽を使ってるじゃん」ってなったら日本の何を変えたらいいの?ってそこで今一番ヘイトフルが向いている先が「政治」なんですよ。だからヘイトフルが政治に向かうのは、必然なんです。

「自分が働くことで社会が良くなっている実感を得づらいです。社会を良くしたい人が空回りする時代」まさにその通りだと思います。

じゃあ木村容疑者は正しかったのか?っていうと―もちろんアホなんですよ。「調べればわかることを、何で調べないんだ」って。「もうちょっと違う角度で攻めろよ」ってピエロは思うんです。

ただ「アホと天才は紙一重」という言葉があるように、やっぱり経営者の世界も、木村容疑者に似たような行動派のアホが山ほどいるんです。というかそれが8割方です。インテリの経営者ってものすごく少数派なんです。

何が言いたいかって「結果を社会に叩きつけていく」そういった彼らの強烈なエネルギーが

  • もし「起業」などと向かう先がなかったら?
  • もしエネルギーを消化する先がなかったら、どうなっていた?
  • 木村容疑者のようになっていた可能性はないのか?

―それは昔の幕末の志士たちのように「そういう反乱分子をちゃんと管理しとけ」とかっていうのは「甘え」なんですよ。

〇されないだけラッキーだったことに気づいた方がいい。もしピエロが上に立ったなら真っ先にそういう反乱分子たちの、若者たちのエネルギーを発散する場所を作ります。日本人は甘えているんですよ。「経営者」は「労働者」に甘え、「政府」は「国民」に甘え、「賢」は「馬鹿」に甘えている。

「窮鼠猫を噛む」状態が今日本で起きている。それは「国民への甘え」から来ている。政府は国民に甘え、説明を怠ったため、今自身の身の危険を脅かされている。

その理由を「あいつは頭がおかしかったからだ」とかって、誰でも考えられる一番表層的な部分で片付けようとしてないか?そんなことしていいのか、足元を救われるぞ?という話です。

【06:59】日本を変える必要性

最後に少し難しい話なんですが、なぜ日本中の知識人たちがみんなして「日本は変わらなければならない」と言っているのか、その理由について触れます。

この今の日本の停滞感は90年代から始まっているんです。日本のモデルケースであるアメリカが80年代に作った新自由主義を、90年代に日本が中途半端な形で取り入れてから、以降経済成長は全くできず、所得も下がって30年が経ったのです。この30年間ずっと「成長していく、成長していく―」って何回も言って、結局できてないんですよ。

今日本人は特に信じられないでしょうが、世界のスタンダードは「自由主義」ではなく「社会主義」よりになっているのです。「中国のような独裁国家の方が良い国家ではないのか」という風潮があるのです。

GDPの相場で言ったら自由主義陣営は強いのですが、頭数の総和で言えば社会主義陣営の方が強いんです。世界では多数決より独裁の方が支持されている。

おそらく日本でもカリスマが出てくる可能性があります。今の日本って「本来の日本」ではないんです。「アメリカっていうのをモデルケースに作られてきた日本」だけどもその民主主義の本家本元自体が、アメリカがああいう状態になっていると、もはやアメリカは日本のモデルケースではないのです。

そしてそれは世界でも同じで、今や世界にとってのモデルケースはアメリカでも日本でもなく「中国」なんです。だからこそ日本は国の作り方を変えていく必要がある。

もしこの「社会主義的風潮」が世界中でも強まれば、おそらく日本でも誰かが名乗りを上げるでしょう。

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