できない理由を探す人の心理には、「クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)」というものが深く関わっています。
「できない理由を探すな」名言
できない理由ではなく、できる理由を探しなさい。
コリン・ターナー著書 あなたに奇跡を起こす やさしい100の方法
クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)とは
クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)とは、自分を納得させようとする脳の無意識な働きです。
コンフォトゾーン(快適な空間)から出そうになったとき、脳は無意識にできない理由、やらない理由を非常にクリエイティブに探し出す。
これを突破しないと目標(ゴール)は達成できない。
Transcription
【0:00】コンフォトゾーンとは人が快適に過ごせる空間
コンフォトゾーンというのは、慣れ親しんだ世界、簡単に言えば昨日までの自分が作り上げた世界。
でも我々が「こうなりたい」っていうのは、常に未来のこと。それをではゴールと言ったとき、この未来のゴールの世界は昨日までの世界とは違う。
なぜなら現状の延長線上にゴールは無いから。ゴールというのは現状の外にあって、初めてゴールという。
どうもこんばんは、ピエロです。
今回はその日常の連続の先にゴールは無いよ、という非常に残酷な話です。
皆さんはコンフォトゾーン、という言葉を知ってますか?人が快適に過ごせる空間、それを心理学用語でコンフォトゾーンと言います。
家なんかもその一つで、男なら髪の毛ぼさぼさ、女なら化粧をしない、そんなラフな状態でも何のストレスも無く過ごしていられる。そんな状態を、コンフォトゾーンといいます。
自分たちがそこにいることが心地よい、コンフォートな空間で、あなたも実際今この動画を見ている。
【0:43】コンフォトゾーンをでるとどうなるか
ピエロなんかはサッカーを見るのが凄い好きで、そのサッカーから学ぶことは多いです。
週末は海外の試合を一通り見てるんですが、例えばサッカーでは試合をするとき、ホームと、アウェーって毎週試合ごとにスタジアムを変えてるんです。
自分のいつも練習してるホームで敵を向かい入れて試合をしたり、逆にアウェーにいって試合をしたりする。勿論スタジアムって言っても場所は、地続きじゃなくて海を挟んだりしている。
だから毎回彼らは結構な距離を移動して、試合してるんですね。そこで非常に興味深い話があるのですが―
彼らはアウェーの戦いのときは「最初から勝つつもりがない」らしいんです。
つまり海外サッカーでは、敵のスタジアムに入って戦うとき、最初から勝ちを狙うのではなく、徹底的に引き分けに持ち込む戦い方を取るんです。
なぜかって、アウェーでの戦いは精神的苦痛が半端じゃないからです。
一度アウェーのピッチに立てば、その選手に向かって人種〇別などの罵詈雑言が降り注ぎ、ボールをもてば怒号が聴覚を塞ぎ、怯んでミスをすれば拍手が起きる。
そんな殺気だった空間でサッカー選手たちは、90分勝負をしなきゃいけない。いくらプロと言えども足は竦むし、恐怖は感じる、故に自分の100%がまず出せない。
海外のアウェー戦では実力が均衡するか、ちょっとでも相手が上なら、最初から引き分けを狙う。
【2:10】コンフォトゾーンを維持する理由
そしてこれは何もサッカーに限らない事です。前に立って発表するときも同じですよね。
「数百人の見知らぬ大人を前にプレゼンする」ってなると怯む。
慣れてないなら、尚更そうです。鼓動が早まって、声が裏返ったりする場合もある。そうなったらもう「良いプレゼンをする」というより「失敗しない様に振る舞う」方に完全にスイッチが切り替わる。
人は自分のコンフォトゾーンの外に出たとき、急激に上がったりして声が裏返る。
オリンピック選手なんか見てて思うのは、声を発さなくとも緊張してるのがわかる。筋肉がこわばって、呼吸が浅くなり、リズムが乱れている。
案の定自己ベストとは、ほど遠い結果を出す。
コンフォトゾーンの外に出たら、人はそうなる。そしてこれは知的活動でも、同じことがいえます。
簡単に言えばコンフォトゾーンじゃないときは、知能レベルが下がります。
皆さんもありませんか?
「何で思いつかないんだ!」って自分を責めて、責めて、責め続けたのに、何も出なかったこと。8時間とか同じことを考え続けるんですが、無理なときあるんですね。でも「ああ無理だ」って開き直って風呂に入った途端、唐突に思い浮かぶことがある。
8時間欲し続けていた解答が、いつも通りの生活に戻った瞬間思い浮かぶんです。
基本我々がパフォーマンスを発揮できるのは、コンフォートゾーンの中にいる時であり、だからこそ我々はコンフォトゾーンを維持しようとして生きていているのです。
声が上ずったり体がこわばるのは、環境がコンフォートゾーンではないというだけ。これは環境と自分の関係の話なんです。
だから皆パフォーマンスを発揮したいが為に、コンフォトゾーンに戻ろうと瞑想をしたりする。
【2:51】コンフォトゾーン脱出するには
因みに瞑想マニアって最近多いですよね。
そういう人たちに一つ忠告しておくと、そのコンフォトゾーンの維持という行為は一方では凄くいいんだけども、もう一方では、果てしなく狂暴な障害になることを忘れてはいけない。
コンフォトゾーンというのは、慣れ親しんだ日常の事ですよね。言ってしまえば、昨日までの自分が作り上げた世界です。
でも我々が「こうなりたい」って願ってきたことは常に未来のこと。
それをではゴールと言ったとき、この未来のゴールの世界は昨日までの世界とは違うんです。
つまり我々がゴールを設定したとき、そのゴールは「我々が今過ごしている、現状の延長線上」には無い。そういうゴールというのは、現状の外にあって初めてゴールという。
もしコンフォトゾーンの中にあれば、そんなものはゴールとは言わない、ただの日課です。ということは我々が掲げるゴールは、常に安心安全の領域の外にある。
だから動くと戻ろうとするし、視ようとすると塞がれるし、達成しようと動くと達成させないように動く。
意識ではそうしたいが、無意識がそうさせない…凄く凄く、恐いことです。これが実は、コンフォトゾーンのもう一つの働き。
【3:49】なぜ夢をかなえられないのか
コンフォトゾーンの外へ一歩でも歩み出せば、恐怖が作動し、あらゆる手段を使い現状に引き戻す。
- なぜ大衆は平均中立調和安全安心を信仰するのか?
- なぜ9割の人は夢破れるのか?
それは意志が弱いとか、そんな簡単な問題じゃなかった。
そこにはコンフォトゾーンという、人が人を守るために長年かけて身に着けた、無意識の防衛本能が強く関わっている。自分を守るために、自分を現実の外に出させない。
コンフォトゾーンにいれば生産性が上がり、発想が豊かになり、体が言うことを聞くようになる。
しかしその代償に―ゴール(夢)の達成は不可能になる。
ゴールここで一応ゴールって何かを話しておきますが、このゴールというのは「現状の自分には想像もつかないような理想の状態」をゴールと言います。
営業マンの契約件数が、1件2件上がることは想像がつくわけです。だけどそれが100件、1000件になることは想像がつかない。この想像がつかないくらいが、正しいゴールの設定なわけです。
それは「結果」がではなく、「やり方」が想像つかないという事です。
【4:39】不安恐怖言い訳が出る
ただそのようなゴールを設定したとき、我々の凡人の、この干し柿の様にしぼみきった右脳は「それは現状の外だから、そんなの無理だろ」とできない理由を非常にクリエイティブに、鮮明に作り出すんです。
例えば副業―将来の自分の為に何か行動を起こそうと、副業を考える。
次の瞬間私たちは、頑張ろうと行動するのではないんです。その発想から、どうやったら逃げられるかを考えるんです。
- いつもの睡眠時間が削られる
- いつもの仕事に支障が出る
- ストレスがたまる
とにかく挑戦をすると、コンフォートゾーンが崩れる。
そうなると私たちはそれをやらなほうがいい理由、やっても失敗する理由を、物凄くクリエィティブに考え出すわけです。
これ面白いのが普段は全く何も考えられない人でも「これできる?」って聞いたら、それが無理な理由を、物凄くクリエイティブに言ってくるんです。
つまるところ、コンフォートゾーンを維持するために知能が上がって、脳が物凄く良く動く。こうして私たちは現状の外に出る事を回避する。
我々のこの長い人生には、生き方を根本から変える様なポイント、チャンスというのが定期的に降ってくるんですね。その現状を変えるきっかけ、ブレイクスルーのチャンスが来るたびに我々は、それを鮮やかに蹴り返すのです。
そしてそのとき物凄く理詰めで、蹴り返した言い訳を、暗示のように繰り返し、完全に自己正当化を済ませ、記憶から消し去っている。
【5:41】クリエイティブ・アボイダンス
これは普段真面目に仕事している人ほどやるんです。
私は学生時代巨大なボランティア団体に属していましたが、そこで「新しいプロジェクトをしよう」という類の話をする度に、声高に反論する人が一定数いたんですね。
これは私の偏見なのかしりませんが、そういう人は上に立つ女性に多いです。典型的な学級委員長タイプでしたが、新しい挑戦を始める見解を誰かが述べる度に、嫌悪を示していた。
それは意図的というより「無意識に」嫌がっていた。そしてそれをやらないほうがいい理由を、非常にクリエィティブに発表しだすんです。
今ならあれがなんだったのか分かりますが、あれはコーチング用語でよく使われている所の「クリエイティブ・アボイダンス」というやつです。
「創造的回避」―コンフォトゾーンを乱す行為に対して、彼女はクリエイティブに回避しようとしていた。そしてこれが私たちがゴールを設定する時にも起きている。
目標設定をしてがんばろうって意気込んだのに、数日後には創造的回避の行動を取り出している。そこでいかに達成しても意味がないかって、ぶつぶつ念仏の様に唱えている。
皆さんがこれから何かを始めたとき、それを諦める最大の原因にクリエイティブ・アボイダンス―創造的回避があがってくるでしょう。
そしてそれはコンフォトゾーンを守るための無意識の本能的行為なので、消すことは不可能です。目に指を突っ込まれたらまぶた閉じるように、挑戦をしようとしたら創造的回避が起きる―セットなんです。
勿論コンフォトゾーンにいれば生産性が上がり、発想が豊かになり、体がいうことをきくようになるでしょう。しかしその代償にゴール(夢)の達成は、不可能になる。
いつもの日常、いつものやり方、いつもの思想を維持し続ける限り、コンフォトゾーンの中に居続ける限り、その現実の延長線上に、ゴールは無い。
ゴールは常に現実の外にある。だから9割の人はそこから出ない。でも夢があるなら、でるしかない。
life starts outside the comfort zone
―人生は、コンフォトゾーンの外で始まる。