If-then プランニングとは?
If-then プランニングとは、ニューヨーク大学の心理学者Peter Gollwitzer(ピーター・ゴルヴィツァー)氏が1993に発表した「目標達成」という論文のなかで提唱されている、目標達成のための手段。
概要としては、目標を達成するには、「目標意図」と「実行意図」が強く結びついていることが重要であり、この結びつきを作るには「(IF)もし私がおやつを探しているなら、(THEN)まずリンゴを食べる」というように「if-then形式」で行うと効果的であるというもの。
If-then プランニングの詳細はPDFファイルを参照。
Transcription
【00:00】心理学における効果量とその事例
心理学の世界では、効果量という考え方がある。
効果量とは「世の中にある全ての心理学テクニックを使える順に数値化したもの」で、1をマックスとして、0.5を超えれば効果が見込めるので絶対にやるべき、0.3を越えれば試す価値あり、というおよその判断基準があります。
例えばミラーリングや単純接触効果など、世の中に大ヒットしたほとんどの恋愛テクニックは「効果量が 0.3以下」で、実は効果が見込めるかわからないレベルだと言われているんです。
また、現在社会的ブームになっている瞑想はどうでしょうか?
ヤフーやアップル、ゴールドマンサックスなどの大企業が専用の瞑想室まで設けて取り組んでいるので、その効果は相当高そうですが「効果量は0.36」。
続ければ続けるほど効果が増大すると言われている瞑想ですら、その最大効果量は0.36で、試す価値ありという程度なんです
このように世の中にヒットし、効果があると証明され、人気になったものでも実はその効果量が0.5超えるものはほとんどないんです…ただ一つの習慣化テクニックを除いて。
今回この動画で紹介する習慣化テクニックは「習慣化の帝王」と呼ばれ「MAX0.99」という効果量を叩きだし、心理学の世界では効果が見込めるので絶対にやるべきといわれているテクニックです。
それが「If then プランニング」
習慣化シリーズ3本目は、習慣化の帝王と呼ばれている「If then プランニング」についてお話します。
【01:15】If then プランニング―習慣化の帝王―
If then プランニングとは
「if:もし〇〇したら」
「then:その時××する」
というように、やるべき行動とそれを行うタイミングを予め決めておく方法です。
- 朝起きたら➡歯を磨く
- いい話を聞いたら➡メモを取る
など「〇〇したら××する」という形で、習慣化したい新しい行動を、いつも通りの日常に当てはめることです 。
なぜこの「if thenプランニング」がMAX0.99という効果量を叩きだし、習慣化の帝王と呼ばれているのか?
それは「if thenプランニング」が「人間の無意識」を応用しているからです。
人は―
- お腹がすいたら➡モノを食べる。
- かなしい状況になったら➡泣く
「おなかがすいた、悲しい」という条件があって、それに対する反射「食べる、泣く」という行動が無意識で備わっているんです。
まさに「ある状況がおきたらこの行動をとる」という人間の無意識をif thenプランニングは方程式化したのです。
【02:00】If thenプランニングの効果
この「もし〇〇したらその時××する」という文法は、脳の研究によると、人が最も記憶しやすい方程式だと言われています。
それをよく表現した実験があり、ある実験で「月水金の週3回仕事前にジムに行く」という無理ゲーな目標を立て、if thenプランニングを使ったグループと、使わなかったグループで調査をしました。
結果if thenプランニングを使ったグループは、2週間経っても91%もの人がジムに通い続けており、逆にルールを使わなかったグループは39%しか残っていなかった。
根性だけで続けた半分以上の人は、ジム通い6日目には来ていなかったんです。
だけどif thenプランニングを採用したグループは、90%以上残っていた。
【02:37】if thenプランニングの使い道
if thenプランニングを使うときのコツは「できるだけ日常生活に違和感なく組み込むこと」です。
メモを取る習慣を身に着けたいなら―
「勉強するために動画を開く」というより「ゲームをしてる時に動画をつけて、良い話だと思った時にメモを取る」という風にすれば良いし
ダイエットをする習慣を身に着けたいなら―
「筋トレをする時間を特別に設ける」というより「寝転がった時に体幹の姿勢で動画を視る」みたいにすればいいんです。
日常の一コマにちょっとだけ組み込む。特別にやるのではなく、無意識にやる。
【03:02】習慣化のコツ
最近すごく気になるのが世の中が流れ的に「根性論とかの
フィジカル」を否定して「テクニック」に傾倒してる風潮が、凄く違和感あるなって思うんです。
コミュニケーションテクニックとか、マーケティングテクニックとか、恋愛テクニックとか、ダイエットテクニックとか―凄まじい数のテクニックがあって、商業的なコンテンツに踊らされて、そういう所から抜け出せない人…結構な数いると思うんですよ。
そんな「テクニック依存症患者」に伝えたいんですが、結果出してる人の8割くらいは「フィジカル重症患者」なので、患者になっている方向が間違ってないか確認したほうがいいです。
結局続けるっていうのはすごく「フィジカル的」で、正直「誰かに何かを否定されたというコンプレックス」とか「執着心」とか「焦燥感」とかいう、そういう感情的動機が変化への原動力になってるので、テクニックどうこうで何かが変わると思わない方がいいです。
どれだけ優れた結果出してる人でも、やってることは非常にフィジカル的だったりするんです。