非科学に踊る
「マスクや手洗い」には科学的な裏付けがあり、「空間除菌や次亜塩素酸噴霧」には裏付けがない。でも「どちらが科学っぽく見えますか?」と質問されれば、素直に「後者」と答えてしまう。
こういう「認知のギャップ」ってなかなか埋まらないんです。埋めないといけないんだけれど、埋まらないから商売になっている側面もあり―
例えば次亜塩素酸の噴霧は「次亜塩素酸でテーブル拭く」ということなら理解できるんですね。空間除菌は二酸化塩素分子がウイルスに接触しないと意味がないんですが、ただ市販のうっすい濃度でウイルスに当たるとしたら、それはもう奇跡としか言いようがないわけです。
この「科学的な裏付けをきちんと出すやり方」と「プラセボ効果を最大に見せる弁論術的なやり方」は「SNSで金持ちアピールしてる貧乏学生」と「本物の富裕層」くらい違いますからね。
でも金持ちアピールしてる方が「金持ってそう」って思っちゃうっていう―マスクよりもフェイスシールドのほうが、「やってる感」があり、ExcelよりAIの方が「なんか凄そう」みたいな。
いつの世も「マーケティング」の方が「事実」を超えていきますよね。ピエロもよく踊るんでね、気を付けていきたいです。
ひとこと
